アーユルヴェーダの資格をとりたいと思っている方へ

アーユルヴェーダとサンスクリット語の関係は?

アーユルヴェーダは難しくない

アーユルヴェーダとは何か?サンスクリット語とはどんな言葉?

わからない人
わからない人

アーユルヴェーダってなんだか言葉がむずかしそう。興味はあるけど、簡単にわかる方法はあるかしら。

インド嫁
インド嫁

言葉の意味がわかると理解しやすいし、覚えやすくなるよ。最初から全部覚えようとしなくていいから、毎日繰り返すといいよ。

こんなギモンにお応えしていきます。

アーユルヴェーダとは何か

アーユルヴェーダとは、何か?

アーユルヴェーダとは、古代からインドやスリランカで行われている伝統医療の名前です。

この言葉は、サンスクリット語という言葉です。南インド、スリランカなどが発祥と言われています。

アーユルヴェーダはサンスクリット語のアーユス(Ayus/生命)とヴェーダ(Veda/科学)を組み合わせたもので、「生命の科学」という意味を持っています。

アーユルヴェーダとは、サンスクリット語で「生命の科学」といわれており、言葉の語源は「アーユル」と「ヴェーダ」という二つの言葉から成り立っています。

アーユルは「生命」、ヴェーダは「科学、智慧」という意味があります。医学知識がない、6000年前にすでに「アーユルヴェーダ」は存在していたといわれています。

Santhigram kerala Ayurveda textbook 要約より

アーユルヴェーダを勉強した人なら一度は聞いたことがあるかもしれません。インドで習うアーユルヴェーダコースでは、必ずこの意味を最初に教えてくれます。

「アーユルヴェーダ」は名前一つをとっても、意味深いものです。

サンスクリット語とは何か?

サンスクリット語とは、アーユルヴェーダの文献で使われる言語名です。歴史はとっても古く紀元前15世紀には存在していたと言われています。

サンスクリット語は、当時「教養のある言葉」として知識人や支配者が使う公式文法でした。ヴェーダ語はその以前から存在していた言葉でしたが、サンスクリット語で書かれた古典や経典が多いのは、そのためです。

インドから伝わり、タイ、ビルマ、カンボジア、ジャワなどにも広がり、日本では密教と共に「梵語」として伝来しました。「旦那」「袈裟」「世話」などはサンスクリット語と同じ意味、同じ発音をするそうです。

アーユルヴェーダの意味と歴史

サンスクリット語から学ぶアーユルヴェーダの基礎

आयुर्वेद アーユルヴェーダをサンスクリット語で書くとこうなります。

アーユルは生命、ヴェーダは科学という意味を持っています。

アーユルヴェーダは伝統医学知識の結集です。そのため、非常に広い範囲でたくさんの書物が存在します。アーユルヴェーダの元になった「教え」をまとめたものを「ヴェーダ」と言います。

ヴェーダは大きく分けて4つあると言われています。

リグ・ヴェーダ
サマ・ヴェーダ
ヤジュル・ヴェーダ
アタルヴァ・ヴェーダ

そして、これらヴェーダに書かれている「人間の生命に関する記述」を抜粋したものが「アーユルヴェーダ」と呼ばれています。つまり、いいとこどりしたわけですね。

サンスクリット語は、南アジアを中心に東南アジアでも使われていた古代言語で、その流れは仏教にも影響しているのだそうです。「梵語」はサンスクリット語の事です。

現代のインド人でも、サンスクリット語を読み書きできる人はそう多くありません。私達にとって古文を読み解くようなイメージです。

日本のように受け継がれていないのは、インドには他民族からの政治的支配(植民地化など)によって言語を抑圧された歴史があるからです。

そのため、貴重な書物や図書館などの文献が破壊されてしまいました。

アーユルヴェーダドクターはサンスクリット語で書かれた書物を読み解く必要があります。

そのため、言葉の勉強ももちろんですが、アーユルヴェーダ大学の教授などは、歌を歌うように覚えています。

これはアーユルヴェーダに限らず、ヨガスートラなどインドの古典書物は同じようにサンスクリット語でかかれています。

アーユルヴェーダで使われるサンスクリット語とは

サンスクリット語は古代インドで使用された言葉の一つです。ディーバナガリー文字というもので書かれているのが主流です。

アーユルヴェーダの文献もサンスクリット語で書かれています。サンスクリット語は、他にもジョーティッシュ(インド占星術)やヨガのキールタン、マントラなどにも使われます。

サンスクリット語で書かれた「スローカ」は、4小節の8節で構成されています。まるで短歌を歌うような言い回しの文節で、丸暗記で覚えられていったとされています。

サンスクリット語のスローカを一つご紹介します

Samadosha, samagnischa samadhatu malakriya(サマドーシャ、サマアグニシャ、サマダハトゥ、マラクリヤ)

prasanna atmen indriya mana(プラサンナ、アートマ、インドゥリヤ、マナハ)

Swastha iti Abhidheeyate.(スワスティヤ、イティ、アビディヤテ)

これはアルファベットに直したアーユルヴェーダのスローカの一つです。健康の定義になります。こんな風に、一つの詩を繰り返し、覚えていきます。

アーユルヴェーダの知識は、サンスクリット語から英語やヒンディー語、そして日本語へと翻訳される

現代ではインターネットが主流で、アーユルヴェーダに関する情報も、たくさん出ています。サンスクリット語の学習などもオンラインでできる所がたくさん増えてきました。

このサンスクリット語からヒンディー語への訳だけでも、主語のいいまわし、過去形、否定形など判断が非常に難しいうえに、どうしても翻訳者の「意図」が加わってしまいます。それをさらに英語に訳す、ということは、2人分の意図が加わる事になります。

言葉はなんでもそうですが、翻訳者の背景、知識はもちろん、感情のない人間などいません。

ましてやアーユルヴェーダを学ぶ際、日本人である私達はインドの文化的、宗教的、歴史的な背景に関する知識があまりありません。

アーユルヴェーダは生活の知恵も含めた「幸せに生きるための方法」を説いた先人たちの知恵の集約です。

アーユルヴェーダは日本人にとって、価値観というものは自分が思っている以上に狭いもので、世界を視野にしたら常識が非常識であると気づく絶好の教科書です。

アーユルヴェーダのサンスクリット語を理解できるとより身近になる

つまり、日本人が、日本に合わせて日本語で学ぶアーユルヴェーダは、頭で理解できていてもつじつまがあわなくなったり、ノウハウが主流になってしまう事が多くなるでしょう。

実際に、アーユルヴェーダはいわゆる「医学」なので、この学問を網羅しようと思ったら6年から8年は必要です。

そのため、一度インドを訪れる というのは、目、耳、口、鼻、皮膚でアーユルヴェーダを「感じる」事が理解を深めるために必要だという事です。

今はブログや写真や動画がたくさんスマホから収集できますが、においと感覚はどうにもできません。

行った事があるとないとでは、おそらくその後に同じ本を読んでも全く感覚が違う事に驚くでしょう。

インドを訪れるということは少々ハードルが高いかもしれませんが、たくさんの団体ツアーがあります。

こちらでは、英語ができなくてもアーユルヴェーダやインド文化に触れるイベントが行われています。

アーユルヴェーダのドーシャの意味

アーユルヴェーダの基本概念として5元素、そして3つの「ドーシャ」と呼ばれる元素があります。

このドーシャのそれぞれ「ヴァータ」「ピッタ」「カファ」と呼ぶのですが、それぞれに言葉の直訳の意味が何個も含まれています。

ドーシャの意味、というとほとんどがアーユルヴェーダ上の目に見えないエネルギーや構成要素、などと説明します。

でも、サンスクリット語のドーシャの意味は「欠落、傷、弱点、不具合、不安定」という意味でもあります。

私たちのドーシャは止まる事も永久的に同じ事も不可能です。

だからその川の流れのようにどういう流れに沿って生きていくか、これがアーユルヴェーダの最も根本的な部分といえます。

その他の言葉にも以下のような意味があります。

ヴァータの意味

ヴァータの言葉の意味は動くという意味がありますが、それ以外にもさまざまな意味があります。

日本にもありますよね、「はし」とか、「あめ」というように言葉が一緒で異なる異味をもつ言葉です。

ヴァータを性質を勉強する時は、5元素(アカーシュ、ヴァーユ、テジャス、ジャラ、プリトヴィ)の勉強を必要があります。

ちなみにヴァータはアカーシュ+ヴァーユの組み合わせです。

ピッタの意味

ピッタの言葉の意味は、ほとんどの資料では肝臓消化(Digestion)と言われています。

ピッタはテジャスとジャラの組み合わせです。

テジャスのみというドクターもいますが、すごく少ない割合ですがジャラ(水)の性質が含まれているので油分や胆汁などの存在も説明がつきます。

ここではピッタ=テジャスとジャラの組み合わせとします。

カファの意味

カファの言葉の意味は痰(たん)です。

アメーバ状のどろっとしたものを想像するとわかりやすいですが、カファはジャラとプリトヴィの組み合わせです。

カファは結合するという役割を持っていますので、直訳だと痰となるのはわかるような気がします。

アーユルヴェーダ以外でサンスクリット語で書かれているものとは

もちろん、サンスクリット語はアーユルヴェーダにのみ使われているのではありません。ヴェーダと呼ばれる経典全てがサンスクリット語で書かれていました。

他にも、マハバーラタや、ヨガスートラ、バガバットギータなど、古代の文献を読むにはサンスクリット語は避けてとおれません。

こうなると、サンスクリット語の勉強してみたくなりますね。アーユルヴェーダは難しくない理由がもう一つありますので、こちらも興味があれば除いてみてください。

サンスクリット語を学ぶのにおすすめの本

サンスクリット語は、意外にも仏教の伝来とともに伝わっているとわかりました。以前よりも身近に感じることができたでしょうか。

なかなか言語を学ぶのは大変ですが、アーユルヴェーダやヨガなどと一緒に覚えていくと、一つの一つの理解が深まっていきますので相乗効果も期待できます。

日本にも、以前と比べるとサンスクリット語のテキストが購入できるようになっています。

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まとめ:アーユルヴェーダとは何か?サンスクリット語とはどんな言葉?

現在のインドは他宗教国家ですが、もともとあヒンズー教は自然の神々を多数崇拝するバラモン教から派生したものです。

たくさんの神様が存在し、その一部は仏教を通じて日本にも伝わっているものです。

弁財天や閻魔大王、帝釈天もその一人です。

そのため、アーユルヴェーダを学んでいくうちに、インド占星術(ジョーティッシュ)やヒンズー教に触れられずにはいられません。

これらはアーユルヴェーダを理解するのに、とても役に立ちます。

アーユルヴェーダは、歴史を超えた普遍なる人間の心理として、現在もインドに存在する医学です。

どうして6000年前のインターネットも普及していない時代の考え方が今でも認められているのか。

それは、「人間の幸せ」は時代に関係なく不偏的かつ恒久的なものだという事の証拠なのです。

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